HPのプリンタ性能をアピールするマーケティング手法が素晴らしい。
今や多くの企業が販売するプリンタ。電気店に行けば各社の製品が並んでいますが、このプリンタの広告やマーケティングといえば「ご家庭でも写真の印刷ができます」というのが一般的です。ポスターサイズまで引き延ばして印刷してもこんなに綺麗ですという性能をアピールしているわけですが、そんなありきたりなやり方を超えて楽しませてくれるのがHP(ヒューレット・パッカード)の『The Grand Tour』です。
『The Grand Tour』とは、ロンドンのウェストエンドを丸ごとギャラリーに変えてしまおうという企画で、街のあちらこちらにミケランジェロ、カラヴァジョ、レンブラントといった有名画家の絵画がきちんと額縁に入れて飾られています。シャッターの隣や、店の入り口の横などに美術館にあるはずの絵画が飾られているため、これはかなり意表を突くとともに人目を引きます。

写真はFrickr:The Grand Tour Gallaryから
もちろんこの絵は、本物ではなくHPプリンタ(ヒューレット・パッカード5500ps DesignJetプリンタ)でプリントされたものですが、その再現力には技術者が細心の注意を払っているためとてもレプリカには見えません。技術的には、従来のポスターで行われるような絵を写真にとってプリントするというやり方ではなく、絵から作られた高精細デジタル画像をプリントしているため、完全なデジタルコピーとなっていると言います。
プリンタという装置を超えて、手軽に写真を楽しむことが出来る。さらにそれを超えて、街中で美術館のように絵画を楽しむことが出来る。それほど珍しくもないはずの「印刷」という可能性を追求してくことで出てくるアイデアは、プリンタなんか単なる出力装置だと言わせないくらい楽しい経験を提供してくれます。


